「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 心の傷を刺激され、エレオノールの瞳から涙があふれ出す。

「ぎゅってしてほしいって……言わないから……」

 今のエレオノールは、自分が幼い子どもなのかそうでないのかもわかっていなかった。

 あふれる涙を止められないまま、何度も何度も『ごめんなさい』とつぶやいて、扉を力なく叩く。

(誰か助けて……)

 永遠にも思えるほどの時間が過ぎた頃、不意に外で物音が聞こえた。

 しかしエレオノールには聞こえていない。

 ぶつぶつと謝罪の言葉を繰り返してうつむいていたエレオノールだったが、扉が開くとさすがに顔を上げた。