「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる～溺愛されて聖女の力が開花しました～

　その日、まだラフィエット家のひとり娘として扱われていたエレオノールは、彼女のかわいそうな待遇を哀れんだメイドから一冊の絵本をもらった。

　それは、幼いお姫様が父親である国王のために贈り物を探すという物語だ。

『お父様のために作ったとっておきの贈り物なのよ！』

『こんなに素晴らしいものをもらえるなんて、私は世界で一番幸せな父親だ』

　姫君が一生懸命刺繍を施した絹のハンカチを受け取った国王は、それはそれはうれしそうに笑って、愛娘をぎゅっと抱き締めていたのだ。

　その姿がうらやましくて、エレオノールは部屋にあった白いハンカチに何日もかけて刺繍を施した。