「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 すぐにエレオノールの目の前が真っ暗になった。

 慌てて扉に向かうも、なぜかどんなに力を入れても開く気配がない。

「誰かいるの? 開けてください! まだ私が入ってます!」

 扉を閉めた何者かに気づいてもらおうと、内側から叩いて自分の存在を伝える。

 しかし外からはなんの音もせず、闇の中にエレオノールの声が響くばかりだった。

「お願い! 開けて!」

 ただならぬ事態が起きていると判断したエレオノールの声が、次第に不安と恐怖に揺らぐ。

(もしかして閉じ込められた……?)

 嫌な予感のせいで、外よりも寒いのに背中に汗が伝った。

「開けて! 開けてください!」