「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 彼女は、ずっと忌むべき対象だったジークハルトの紫の瞳を見てそう言った。

 手当てをしていた時の厳しく真剣な表情とはまったく違う、温かで優しい笑みを見るに、ラスの言葉は本心からのものだったのだろう。

 どちらが本当の彼女なのか、それともどちらも彼女の姿なのか。

ジークハルトは素直にラスのことをもっと知りたくなった。

(こんなことになるなら、もう一度会って話したいなど思わなければよかった)

 転ぶ彼女を抱き留めた時から、華奢な身体の感触が腕から消えなくなってしまった。