「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 皮膜もちゃんと手入れしろ、という意味である。

 傲慢な雌ドラゴンの態度にあきれながら、ジークハルトはエラフィの皮を加工した磨き布を手に、シュルーシュカの背に乗った。

「ラスのことを言っているなら、ひとまずあの子竜を任せるつもりだ」

『意外ね、取り上げるのかと思った』

「約束を違えたくはない。なにより、彼女には恩がある。それに……」

 皮膜の汚れを拭うジークハルトの目が遠くなる。

(彼女は、俺の――)

『私を置き去りにして馬で出かけた日のことね』

 恩と聞いていつの話なのかを悟ったシュルーシュカがちくりと言う。

「まだ気にしていたのか?」