「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 妖艶なシュルーシュカの声にくすくす笑い声が交ざる。そう聞こえているのもジークハルトだけだ。

『でもこれからは違うのかしらねえ、ジーク?』

「なにが言いたい?」

『あの子のこと、どうするつもり?』

 ジークハルトは黒い鱗を磨く手を止め、おもしろがるように目を細めたシュルーシュカを見上げた。

「……子竜は帝国の傘下で育てあげる。あの鈍色の鱗は間違いなく希少種のものだ。帝国の新しい力になる」

『わかっているくせにわざと誤魔化すなんて。私が言っているのはおちびちゃんじゃなくて、あの人間の雌のことよ』

 シュルーシュカは丁寧に折りたたんでいた翼を軽く広げた。