「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる～溺愛されて聖女の力が開花しました～

　子竜の鱗の色は卵と同じ鈍色だ。もっと光沢があるように見えるのは、落ち着きなく動いているせいで光が反射するからだろう。

　頭には二本の角があり、身体が小さい割に立派な存在感の尻尾がある。

　羊皮紙のような手触りの皮膜が張られた翼は、まだ動きがぎこちない。空を飛ぶには訓練が必要になりそうだ。

　瞳の色は黄色で、卵の黄身のようにこっくりした色味をしている。シュルーシュカの赤く輝く瞳に比べれば、ずいぶんかわいらしい。

（キラキラして、かわいくて、元気がよくて……）

　子竜の鱗に反射した光が弾けるのを見て、エレオノールは小さく手を打った。