「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 たとえ村人との交流がなくとも、長く住んだ村を離れるのは寂しい。

 荷物を取りに戻った際、村長に事情を説明したが、あの村の人々はきっとエレオノールがいた頃と特に変わらない日々を過ごすのだろう。

 そう考えて少し寂しさを覚えるエレオノールだったが、目の前には守り育てるべき存在がいる。

「ひとまず、一緒に頑張ってみようか」

「みゃあ!」

「……そういえば名前を決めてなかったね」

「みゃ」

 子竜はエレオノールの言葉を理解しているのか、パタパタと尻尾を振って名づけを待っている。

(この子をゆっくり見るのも、初めて)