ここは大陸の南に位置するリヨン王国と、東に広がるベルグ帝国の間にある”死の森”で、ひとたび足を踏み入れれば二度と戻ってこられず、そのまま獣の餌になって朽ちるしかないと言われていた。
ベルグ帝国が誇る大陸最強の竜騎士軍団ですら攻略できなかったというこの森には、方向感覚を狂わせ、精神を摩耗させて狂気へ落とす闇の魔力が満ちていることも、エレオノールはよく知っていた。
本当はとても恐ろしいし、もしかしたら誰か迎えに来るんじゃないかと期待を抱いて、ここで待っていたい気持ちがある。
しかしそんな奇跡が訪れる日は来ないのだ。
ベルグ帝国が誇る大陸最強の竜騎士軍団ですら攻略できなかったというこの森には、方向感覚を狂わせ、精神を摩耗させて狂気へ落とす闇の魔力が満ちていることも、エレオノールはよく知っていた。
本当はとても恐ろしいし、もしかしたら誰か迎えに来るんじゃないかと期待を抱いて、ここで待っていたい気持ちがある。
しかしそんな奇跡が訪れる日は来ないのだ。

