「好きじゃないよ」

臣には他に好きな子がいるのに。

「ほんとに?」

ひどいよ、こんな質問。

「ほんと」

「だけどさあ……」

せめて、仲のいい幼なじみでいさせて欲しいのに。

「ないよ」

「でも」

それもダメだって言うの?

「しつこいよ」

「……だったら侑莉、なんで泣きそうなの?」


……こんなの、涙が勝手にあふれてきちゃうんだよ。


「……嫌い。……臣なんて」
好きだよ。

「年下で、子どもっぽくて」
大好きなの。

「いじわるで」
ほんとは、ずっと好き。

「大っ嫌い」
他の子のものになんて、ならないでよ。