するとその紙に書いてあったのは予想外の内容だった。
『相談したいことがあります』
てっきり罵詈雑言が書かれていると思っていたオレは虚をつかれる。
手書きの丸文字で書かれたその一文の後には、『体育館裏で待っています』と追記されていた。
(これは、今朝のダジャレとは別人なのか? 待ってますっていったって外はいま……)
ザアザアとガラスを叩く音が一層ひどくなり、オレは昇降口の外を見た。
相手が誰であろうとこの雨の中呼び出すのは相当なことだ。
オレは傘を手に体育館裏へと向かった。
ぬかるんだ地面を速足で進む。
もし嫌がらせの犯人が待ち構えていたのなら、こちらも言いたいことがある。
しかし指定された場所に辿りついたオレを待っていたのは異様な様子の相手だった。
「な、」
そこにはこの土砂降りの中傘をささず、全身がぐっしょり濡れた女子生徒がいた。
彼女はオレの存在に気づくと青ざめた顔に笑顔を浮かべる。
「来てくれたんだ」
彼女は隣のクラスの、ちかちゃんにひなたと呼ばれていた子だった。


