シュガーコート



 オレはちかちゃんから目をそらした。オレ以外の男と楽しそうに話す姿を見たくない。

 どうしたらもっとちかちゃんに近づけるかばかり考えて、授業の時間が過ぎていった。

(ちかちゃん今日日直か)

 帰り路を急ぐ生徒の中にちかちゃんの姿がないと思ったら、こんな天気の日でも真面目に日直の仕事をしている。

 どうやら後は日誌を書くだけらしく、手伝えることも残っていないようだ。

 空は分厚い雲に覆われていて、まだ夕方なのに薄暗い。

 オレは昇降口でちかちゃんの帰りを待つことにした。

 たまたま出会った風を装って一緒に帰ってしまおうという魂胆だ。待ちぶせしていることがバレバレでもそれはそれで構わない。

 傘を取り靴を履き替えようとしたそのときだった。再びげた箱に紙が入っていることに気づいたのは。

(またかよ! もー勘弁してくれ)

 今度は丁寧に飾り折りされた手紙が靴の上に乗っている。オレは悪い意味で人気者の気分を味わっていた。

 捨ててしまおうとも思ったが、ちかちゃんに関係するものならば放ってはおけない。なにが入っているかもしれないそれを注意深く開封する。