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――千花が泣いてる。
教室の入り口に立ちながらオレはぎゅっと拳を握った。
机に伏せているけれどオレには分かる。
泣かされたんだ。さっきまでいた千花の友達に。
オレの中で千花を心配する気持ちと、千花を泣かせたあの女にムカムカする気持ちが入り混じる。
北田千花。オレが憧れて、恋焦がれてやまない同級生。
サラサラの黒い髪が綺麗で、運動中はお団子にしているのがかわいくて、すらっとしたスタイルの女子バレー部のエース。
正直そんじょそこらの男じゃ全然釣り合わない。高嶺の花。
千花はオレのことなんてちっとも覚えていないかもしれない。でもオレは千花と出会った日からずっと千花のことが好きだった。
「千花……好きだよ」
どうしたら恋人になってくれる?


