「……うちさ、言ったけど親がすげーきびしいの。多分結婚相手とかも口出してくるだろうけど、ちかちゃんと結婚できないなら誰とも結婚しないって言っておくから安心してね」
「どこまですっとんだ未来の話してるの!?」
(ていうか自分の将来のことは考えたくないのに結婚のことは考えてるワケ!?)
思わずツッコミたい気持ちをグッと抑える。
佐藤くんは伏せていた顔を少しだけ上げて、ちらりとわたしを覗き見て言った。
「ちかちゃんとつき合えたら本当に言うよ。家族親戚みんなに。将来ちかちゃんと結婚するって」
そんな冗談をあまりに溶けそうな顔で言うものだから、わたしは一瞬反応が遅れてしまった。
「ま、たそんなことを」
「ちなみにちかちゃんとつき合えなくても言うよ」
「それはやめて」
(こんなに冗談ぽく言ってるのに。もう、いよいよ逃げられなくなってる。でも……わたしは)
言葉の端々から真剣さが伝わってくるのだ。冗談めかしているのはわたしに与えられた優しさかもしれなかった。


