「考え方が古いというか、優秀で当然、家を継いで当然みたいなプレッシャーがもうすごくて。歳の離れた姉ちゃんがいるんだけど、さっさと自立して出ていった。だから両親はオレに絶対家を継がせるつもりなんだ」
「佐藤くんも華道やってるの?」
「やってるけど、正直やらせられてるだけだなあ」
わたしの問いかけに佐藤くんは苦笑した。
「華道が嫌なんじゃない。オレの自由を制限されるのがたまらなく嫌なんだ。交友関係にさえ口出しされる……小学生の頃なんて、友達と遊んだことすらなかった。毎日毎日稽古稽古――。そりゃあ自然と周りから浮いた子どもになるよな」
「……でもいまはちがうよね」
いまの佐藤くんはクラスでも一目置かれている人気ものだ。誰も佐藤くんを浮いているとは思わないだろう。


