佐藤くんは柔らかく微笑んでから、よく晴れた空を見上げた。そしてしばらくそうしてから、なにかを決心したように立ち上がる。
「ちかちゃん、いまから少し時間いい?」
「え? うん。構わないけど……?」
「ちかちゃんに見せたいものがあるんだ。ついてきて」
佐藤くんは数歩先に進んでわたしを振り返る。なんだかその表情が固い気がして、わたしは心配になる。
(自分語りしすぎちゃったかな……それか、家のことがあんまりいい印象じゃなかった?)
(もしもそれで距離を置かれるならそれまでだったってことだよね)
だったらもう仕方がないことだ。わたしはうそ偽りなく自分のことを知ってもらおうとしただけ。
「オレ、あんまりうちのこと好きじゃなくてさ」
わたしは頷く。佐藤くんの反応からなんとなくそうではないかと思っていた。


