シュガーコート

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 そもそも玉之江先輩のことを好きになったのは、運命みたいな出会い方をしてしまったからだと思う。

 それはわたしがまだ中学一年生の頃。練習や雑用に忙殺されていたわたしの目に鮮やかに映ったのが、コート内で楽しそうにプレイする先輩の姿だった。

 そしてその純粋なバレーボールのうまさに、いつからか自然と目で追っていた。技術を学びたいという気持ちと、少しでも先輩を見ていたいという思いが、あの頃のつらく厳しい部活動に色を与えていた。

「北田」

 初めて話しかけられたとき、わたしはネットやらビブスやらを抱えたままぼんやりと先輩のプレイを見ていた。

 驚いて「はい!」と返事をすると、先輩はにこっと笑ってわたしに近づいてきた。

「ヒモほどけてる」

 そして、両手が塞がっているわたしのかわりに、先輩はわたしの足元に屈んで靴ヒモを結び直してくれたのだ。