涙がこぼれそうになって机に伏せていると、ちょんちょんと肩を突かれる感覚に気づく。
泣く寸前で顔を上げると、そこにはクラスメイトの佐藤くんの姿があった。
あまり話したことはないけれど、ゆるめの天然パーマヘアと、優しげな目元が印象的な男子だ。ついでに線が細くて色白。
特別目立つことをしているわけではないのにその場にいると不思議と目を惹く存在で、クラスでも隠れファンが多いと聞く。
「北田、大丈夫? 具合でも悪いの?」
「あ、ううん。気にしないで。……いまね、盛大に失恋したところなの」
体調を心配してくれる優しさにぐすんと鼻を鳴らす。そんなわたしを佐藤くんは驚いた表情で見つめていた。
当然だ。特に仲がいいわけでもない相手に失恋宣言なんて。普段のわたしだったらするわけがない。
でもいまはメンタルがズタズタなのだ。


