シュガーコート



「北田、調子いいみたいだな!」

 突然背後からかけられた声にギクリとする。いままでずっと聞きたかった声。いまは一番聞きたくない声。

「玉之江先輩……おつかさま、です」

 少し茶色ががったサラサラの髪。クール系の顔立ち。男子バレー部イチの高身長。――わたしの片思いの相手、玉之江先輩がそこにいた。

「おー、おつかれ。次このコート男子が使うから」

「あ、はい!」

 いそいそとコートから出ようとするわたしに、玉之江先輩が思い出したように声をかける。

「そうだ。北田、ありがとうな。ひなたちゃんを紹介してくれて」

 ズキン! と今日一番の衝撃がわたしを襲った。玉之江先輩が体育館の入り口を指さす。そこには笑顔のひなたが立っていた。