「ごめん! 遅くなった」
パタパタとかけ足で謙信に寄ると、「うわあ!!」と驚かれてしまった。
「え、ごめん。そんなびっくりさせた?」
「え……千花……かわいいね……あ、オレもうダメかも」
「ちょっとー!?」
胸のあたりを押さえてスゥーッと昇天しそうになっている謙信を慌てて現実に引き戻す。
「今日一日こんなにかわいい千花のとなりにいるなんて許されるのかなオレ」
「はあ。そんなに気負わないでよ。それに……謙信はいつもかっこいいんだからいいじゃん」
「うあ! やめてっ!! そのデレはオレに効く!!」
(よかった。この格好喜んでくれてるみたい)
わたしはほっと胸を撫でおろす。
いつもより大げさなリアクションを見ることができたから、気合いを入れてきて大正解だった。
「それじゃあ行こっか」
「うん」


