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――そして、謙信とつき合って一年を迎えようとしている。
「まさかあの恋愛偏差値低かった千花がこんなにラブラブなるとはねえ」
「しかも一周年記念のデートのために気合い入れたいから、ショッピングにつき合ってくれだなんて。あの千花が!」
「うう、言わないで。二人とも今日はほんとうにありがとう」
ショッピングモールのフードコートでハンバーガーセットを食べながら、亜矢と双葉が感慨深げに言葉をもらす。
わたしたちは中学三年生になった。
人によっては受験で忙しくなる時期だというのに、こうして個人的な買い物につき合ってくれる友達の存在に胸が熱くなる。
「まあ千花には今年こそ全国大会に行けるようにがんばってもらわないといけないからね。息ぬきくらいいつでもおつき合いしますよ」
「そのかわりまだウチらを引退させないでくれよー?」
「んん、分かってる!」
わたしたち女子バレーボール部はというと、去年は県大会までは勝ち進むことができたが、惜しくも全国大会出場一歩手前で敗退してしまった。
あのときの悔しさを今年にぶつけるため、最近は部活三昧だ。


