シュガーコート

「先輩にね、周りにあんまり言わないでって言ったんだけど。なんだかはしゃいじゃってるみたいで……」

 ズキンと胸が痛む。わたしはなるべく平静を装って、最低限の返事をする。

「あ、うん。結構バレバレかも」

「そうなの? 恥ずかしい……ごめんね千花ちゃん。真面目に部活してるのに迷惑だよね」

「べ、別に大丈夫だよ。ええと、それじゃあね」

 顔を赤くして小さくなるひなたに、わたしはなにも言えなかった。

(部活のことは別にいいんだけど、わざわざわたしに聞かなくても……いや、ひなたは女バレの知り合いいないから仕方がないか)

 グサグサと失恋の傷がえぐられる。なにもなかったかのようにスーッと元の席に戻ると、亜矢と双葉が待ち構えていたように口を開いた。