(このままずっと、ちかちゃんがオレだけにすがってくれたらいいのに)
そうしたらきっと幸せなのはオレだけだろう。そんなどうしようもないことを考えながら、ぎゅっとちかちゃんの冷え切った体を抱きしめた。
「ひなたのことどうすればよかったのかな」
泣き疲れてオレの腕の中でぐったりとしたちかちゃんがポツリとつぶやいた。
オレはちかちゃんを抱え直して、自分の足の間に座らせてから、後ろからギュッと抱きしめる。
「――分からない。けど、まぶしすぎたんだと思う。太陽って近づきすぎると燃えてしまうから。見つめすぎても目がくらんでしまう。あの子にとってちかちゃんはそういう存在だったんじゃないかなぁ」
「太、陽。あ……」
ちかちゃんが空を見てなにかに気づいたように声を上げる。
その視線を追うと、雲の隙間から太陽が顔を出していた。もう雨はとっくに止んでいたらしい。
「オレも気をつけないと」
「なにに?」
「ちかちゃんに灼《や》かれないように」
(もうすでに、いやだいぶ手遅れかもしれないな)


