シュガーコート



 オレは無性にちかちゃんを抱きしめたくなってしまう。

 急にそんなことをして嫌われたくないのに。

 でも。でも。

「ちかちゃん……ハグしていい?」

「うん」

「『うん』!?!?!?」

 断られる前提のお願いがあっさりと受け入れられたことにオレは目玉が飛び出るほど驚愕した。

「ちかちゃん! ハグだよハグ。あ、ハグって分かる!? ギュッてするんだよ!? 意味分かって言ってる!?」

「いやさすがに分かってるし」

 ちかちゃんは呆れた表情をした後、スッと両腕をこちらに広げて言った。

「しないの?」

 目の前には頬を染めてはにかむちかちゃん。オレはいま起こっていることが信じられず思考停止する。

 じわじわと顔全体が熱くなる。空気に触れている肌がビリビリとしびれ、いま自分がどんな顔をしているか分からなくなっていく。