「胡桃は可愛いよ！すっごく可愛い！俺たちしか姿が見えないようにしてやりたいくらい、胡桃は魅力的なんだよ。胡桃のせいで、俺の心は毎日乱されてるんだ」

苦しそうに、でも幸せそうに、結翔くんは言う。その目には甘ったるい熱があって、私は自然と彼の頰に触れた。熱いくらいの体温がそこにはある。私の指先が火傷してしまうのではないかと思ってしまうほどだった。

その後、料理をなるべく早く食べ、お土産を売っているお店へ向かった。そこで私のブラウスの代わりとなるシャツを買って、汚れてしまったブラウスはトイレで洗い、汚れをできるだけ落とした。

「帰ったら汚れているところに洗剤つけてみようか」

「洗剤？何で？」

「食器用洗剤を使うと大体の汚れは綺麗に取れるんだよ。血液汚れとか、ソース汚れとか、しつこい汚れが綺麗になる！」

「へぇ〜、知らなかった！帰ったらつけてみるよ」

結翔くんに豆知識を教えてもらいながら歩く。そろそろパレードが始まるみたいで、軽やかな音楽が少し大きくなった気がした。

男の子と二人きりで行く遊園地は、いつもより特別な気がした。