四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

「ねぇ?」

「な…なに…」

「三神さんより私のほうが星乃先輩に相応しいと思わない?」

「どうして…」

「成績だっていいし、彼氏がいるのに他の男の人に尻尾振ったりしないし」

「そんなことっ…!」

客席のほうを見たら、夕凪と四季くんがジッとこっちを見ていた。

海斗さんと話しながら、皐月くんまでもチラチラと様子をうかがっている。

「みのりちゃん…もう戻ろう。みんなが心配してるから」

「言い返せないから逃げるんだ?」

「そんなんじゃないから!みのりちゃん、おかしいよ…。勘違いしてるみたいだけど四季くんはあなたに好意なんか向けてないから!」

「はぁ!?」

「みのり!」

見かねた夕凪がドリンクバーコーナーに走ってきた。

「あんた、いい加減にしな?シュリに八つ当たりしないで」

「なんで?夕凪だって思うでしょ?この子のせいで星乃先輩は本当の恋ができないんだから」

「みのり、本当になに言ってんの?シュリのこと知らないくせに。私の親友だよ。それ以上侮辱するならみのりとは友達やめる」

きっぱり言い切った夕凪は、自分の席に戻って、
自分とみのりちゃんの鞄を持ってきた。

鞄をみのりちゃんに押し付けて「行くよ」って言って、お会計に向かった。

ひとり残されてぽかんとしている私に、
客席から皐月くんが「喉渇いたよー!」って大声で呼んだ。