それからぎゅーって抱きついたまま、
二人でお昼寝をした。

ドキドキしたり、嫉妬して胸がチクンってしたり、
でもギュッてされると安心して気持ちが穏やかになる。

四季くんは私に恋を教えてくれた。

自分ばかりが大切にされたい、
自分だけを見てて欲しい、
そんな自分よがりの過去の恋を忘れさせてくれる。

この人を守りたい。
幸せでいて欲しい。

四季くんを想う気持ちがどんどん大きくなっていく。

私じゃ四季くんを誰よりも幸せにしてあげることはできないかもしれないけれど、
一番の味方は私でいたい。

だって四季くんが私にとってのそういうひとだから。

お昼寝から目覚めたとき、
先に起きていた四季くんがやわらかく微笑んで「おはよ」って囁いた。

もうすぐ五時になりそうだった。
全然おはようじゃないんだけど、なんだかすごく幸せそうな四季くんの表情に心が軽くなっていく。

「寒くない?冷房」

「平気」

「ん。寒かったら俺にくっついてなね」

「四季くんの体温奪っちゃうよ」

「いいよ。ぜーんぶあげる」

「死んじゃうよ」

「死にません」

声を出さないで、二人でケットにくるまってくすくす小さく笑い合う。

私と四季くんだけのこの空間が、奇跡みたいな時間に思えた。