四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

「ねーっ、ここほんとにあっつい!」

「ごめんごめん。汗でベトベトになっちゃうよね」

校舎のほうからちょうど五時間目が終わるチャイムが聞こえてきた。

「とりあえず急いでここ出よっか?」

「いいの?」

「次は体育のクラスあるから」

おどけるように笑いながら、触れるだけのキスをした四季くんが、ちょっと乱れてしまった私のセーラー服のリボンを整えてくれた。

二人で体育館を抜け出して、
四季くんは私と手を繋いだまま歩いていく。

校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下の壁面を利用して隠れるみたいにしゃがんだ。

上から見たらすぐにバレるんだけど。

「ちょっと待っててね?」

私の頭をぽんぽんってして、四季くんはスマホで通話をかけた。

「なー、お前、次出る?うん?そうそう、鞄持ってきてくんない?体育館の渡り廊下にいるからさ。えー、お願いっ!アイス買ってやるからさ。え?そりゃそーだよ。シュリのクラスにも、ちゃんとね?」