「シュリの目を見た瞬間に、ここから離したくないなって思ったんだ」

「四季くん、あの日なにがあったの?」

「なーいしょ」

「内緒?」

「うん。シュリは知らなくていいことだよ」

「そんなのヤだよ!隠し事は寂しいな…」

「んー。俺もシュリに隠し事されたら悲しくなっちゃうけどさ。ごめんね?シュリに知られたくないこともあるんだ。今はまだ…知られる勇気がない」

「…分かった。四季くんが悲しい気持ちになっちゃうなら聞かない」

「ほんとに?」

「うん。四季くんの過去を知って嫌いになんてなんないけど、一緒に生きてくこれからのほうがだいじだから」

「ふふ。やっぱ好きだな。シュリのこと」

「やっぱ、ってなに?」

「嘘です。本当に、大好きだよ」

「ん」

「じゃあまた夜に電話するな?」

「うん。待ってるね」

私から背伸びして四季くんにキスをしたら、
四季くんは人通りもあるのにギュッと抱き締めてきた。

「反則だって。我慢してんだから」

「ごめんなさい」

「はー…大好き。シュリ、一生俺のそばに居て欲しいな」