四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

四季くんは私の家の近くまで送ってくれた。

久しぶりに二人っきりだって言ったから、
てっきり四季くんのおうちに行くんだと思ってた。

「もう帰っちゃうの?」

「やっとテストが終わったんだからゆっくり休んで」

「でも…やっと二人の時間なのに」

「俺さ、シュリの前ではやさしい男で居たいんだよね」

「四季くんはやさしいよ?」

「落ち込んでる彼女を襲うみたいな、見境ない男にはなりたくないの」

「襲うなんて」

「同意のもとであっても、だよ。シュリが安心できる存在でありたいんだよ。だから、」

「だから?」

「我慢してる」

へへって笑った四季くんは無邪気で、なんだか可愛い。

「ありがとう、四季くん。味方でいてくれて」

「当たり前じゃん」

「でもね、みのりちゃんは悪くないの」

「シュリに嫌なこと言ってたよ?」

「聞こえてた?」

「あんなに大きい声だったもん。さすがにね」

「そっか…。私ね、みのりちゃんの言う通り、偽善者だったかもしれない」

追い風に吹かれた私の髪を、四季くんの指がすくった。

耳にかけた髪を押さえて、親指ですっと頬を撫でられる。