四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

フラフラと自分の席に鞄を取りに行った。

みんな、私達の言い争いに釘付けだったのに、
四季くんと皐月くん達が来てからはすっかり興味を無くしたみたいだった。

正直、ありがたかった。

四季くんはあんなこと言ったけれど、
みのりちゃんは1ミリも悪くない。

悦に浸ってひとを見下したことなんて、そんなことは無いって誓えるけれど、
みのりちゃんだけじゃなくて本当にそんな風に見えていたのかもしれないことがショックだった。

自分の中にも「私の立場だから協力できる」って傲慢さがあったのかもしれない。

みのりちゃんは自分で頑張ろうって思ってたんだよね…。

友達…じゃない私に余計なおせっかいされて気持ち悪かったよね。

来週、みのりちゃんに会えたら謝ろう。
友達にはなれなかったけど、みのりちゃんの恋を応援できたらうれしいから。

「シュリ、帰ろう」

四季くんが私を呼んでくれる。

胸の奥らへんに溜まった水たまりみたいなものがちゃぷんって揺れた気がした。

二人っきりだったらきっと泣いてた。

皐月くんは腑に落ちないみたいな顔をして、私を見ていた。