四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

六時間目終了を告げるチャイムの音。

そっとシャーペンを机に置く私と、
思いっきり背伸びをしたり、
「終わったー!」って大声を出す生徒達。

数学の先生が、後ろから答案用紙を集めるように指示をする。

終わった…。
肺に思いっきり酸素を吸い込んで、一気に吐く。

一瞬クラっとしたのはきっと、「数字疲れ」に違いない。

「採点をして来週には返却するからねー。赤点以下は夏休み補習。覚悟しときなさいよー」

ひらひらと手を振りながら教室を出ていく先生。
神様、お泊まりは気が重いけれど、
やっぱり補習は絶対に嫌です!

どうかクリアしていますように!

数学の先生と入れ替わりで担任が入ってきて、
そのまま終礼が始まった。

一学期は来週で終わり。
最後の一週間、気をゆるめないようにって担任は念を押した。

「シュリ、どうだった?」

終礼が終わって、夕凪が私の席に来てくれた。

「うん!けっこう解けたよ。四季くんが教えてくれたとこ、いっぱいあった」

「へぇー。さすが星乃先輩」

「すごいよね。なんか四季くんって、ふわーっとしてんのにかげではきっちりしてるっていうか」

「生徒会とか入ればよかったのにね」

「なんかそれって、生徒会っていうより…」

「アイドル事務所みたいになりそうだよね」

夕凪と顔を見合わせて笑った。

「ゆうなー、もう行くー?」

ドアのほうから夕凪を呼ぶ声。

みのりちゃんだ。

「夕凪、ちょっとごめん」

「え?シュリ!?」