フェザータッチで壊れ物を扱うような触れ方が余計に羞恥を煽る。

「四季くん、くすぐったいよ…」

「もっと聞かせて…シュリの可愛い声」

耳元で囁かれて、心臓が痛いくらいギュッて反応してしまう。

四季くんに触れられるたびに、大切にされてるんだって伝わってくる。
優しい指先の温度をいつまでも感じていたい。

「シュリ、愛してる」

「ゃ…恥ずかしいよ…」

「だーめ。もっとしよ?」

「四季くんのいじわる…!」

「ほんと可愛い。全部可愛い。シュリを見てると不安になっちゃうよ」

「不安?」

「こんなに可愛い子、他の男にダメなことされちゃうんじゃないかって」

「もう…四季くんは私を過大評価しすぎだよ?そんな風に言ってくれるの四季くんだけだから」

「うん。シュリがたまんなく可愛いのは事実だけど、俺だけでいい。俺のこと以外、見ちゃだめだからね?」

四季くんの言葉は、溺愛は私をだめにしていく。
四季くんが居なきゃなんにもできなくなっちゃうみたいに…。

そしてきっと私は、そうなることを願っている。

四季くんに強く抱き締められるたびに、
ひとつになれない悲しさと、隣で笑い合える幸せに包まれる。

速い鼓動。
すぐ近くに感じる心臓。

私達の体がひとつに溶けあえることは決してないけれど、
この先もずっと手を取り合って、二人で生きていく。

出会えたことが運命でも偶然でもどっちだっていい。

四季くんと出会えたことは、
私の人生最大の奇跡なんだから。