四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

「皐月にはめちゃくちゃ言われたよ。本当に頭がおかしくなっちゃったんだね、可哀想にとか。その女も会ってその場で了承するなんて絶対フツーじゃないよとか。言いたい放題だった」

四季くんがおかしそうに笑う。
皐月くんがあんまり私にいい印象を持っていなかったことにも頷けた。

しかも直近で失恋した者同士。
本当にめちゃくちゃだと思う。

「ほんとに、シュリを抑止力に使ったわけじゃないんだけど、シュリの存在のおかげでことりさんの話は出なくなって、あれは悪い夢だったんだとさえ思えるようになって、俺は本当にシュリに命を救われたんだと思う」

「大袈裟だよ」

「ううん。あの日、シュリに出会えなかったら、たぶん俺は繰り返してた。今になって思えば、たった一回失恋しただけ。年下の男と遊びたかっただけの悪い女に騙されただけ。それだけのことなのに、ことりさんが自分の全てみたいに思ってたなんて、バカだよな」

「私は分かるよ。私も柳瀬がそうだったから。でも今は別れてよかったって本当に思う。しかも私達はフラれたほうだからね?罪悪感なしに別れられてよかったよね?」

「あはははは。そうだな」