四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

「ことりさんは、海斗の大学の同級生なんだ」

「えっ…じゃあ顔見知りなんだ」

「ことりさんを俺に紹介したのも海斗だよ。ことりさんが二十一歳で、俺は…まだ十五歳だった」

「中三ってこと!?」

「そ。ヤバいよなぁ」

「でも…アレだね…私と柳瀬と同じっていうか…」

「はは…」

もうほんと。
世の中の恋愛はめちゃくちゃだ。

海斗さんと皐月くんの悩みなんてちっぽけに思えてくる。
…そんなことは決してないんだけど。

「でも中三の頃から四季くんってあんまり変わらなそう」

「あー、確かに今とそんなに変わんないかも。…変わったのはことりさんのほうかな」

「そうなの?」

「見ただろ?今はけっこう派手だけど、紹介されたときはもっと清楚系って言うのかな?服装も違ったし、成人してるんだってちょっと不思議になるくらい、もうちょっと幼かったかな」

「性格は?大人しい感じだったの?」

「それは違う」

「違うんだ?」

「自分に正直ではっきりしてるし、物怖じもしない。俺が中学生だったから余計になんだけど、ことりさんがいつもリードしててさ。こんなガキのお守りみたいなの楽しいのかなって思ってた。バレたらいろいろとアウトだし」

「海斗さんは?なんて言ってたの?」

「あいつは元々紹介したのだって面白半分だったらしい。俺の写真見せたらことりさんが食いついたらしくてさ、最初は年齢隠して紹介したんだって。それが本当に付き合い始めたから大笑いしてた」

「酷いなぁ。四季くんは?なんで付き合ったの?」

「んー。正直言うと、最初は流されたってのが本音。一目惚れとか、好きとかって感情はなかったんだ…。ガキだし、大人の女性に言い寄られて舞い上がってたのかも。ダサいだろ?」

「ダサいけど、四季くんにも子どもっぽい頃があって安心した」

「あはは。なんだそれ」