四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

でも海斗さんは私にはなんにも言わないで、四季くんに言った。

「おじさんの書斎借りるな」

「父さんには言ってんの?」

「当たり前だろ」

「あんま散らかすなよ」

「分かってるって」

海斗さんがリビングを出ていって、四季くんは「急にごめんね」って言った。

「海斗さん…どうやって入ってきたの?」

「え?普通に合鍵だけど」

「合鍵?」

「両親が共働きだからさ、昔から海斗が面倒みてくれてたんだよ。いとこっていうより、実の兄貴に近いかも」

「そうなんだ…」

ヤクザさんだから空き巣もお手のものなのかなとか思ってしまった。

どうしたって“一般人”からしてみたら、
ヤクザさんはやっぱり怖い存在だけど、
四季くんにとっては小さい頃からお世話をしてくれた“家族”だ。

怖いって感情は無いのかもしれない。

「じゃあちょっと勉強してみようか?」

「うん。お願いします」