「もう一秒でもひとりで行動させたくない。学校でもそこら辺の道でも、家でもずっと一緒に居たい。シュリはちょっと隙が多すぎますっ!」

「う…それはごめんなさい」

「もう心配でしょうがないよ。俺さ、いつもいつも心臓止まりそうなんだからね?」

「嫌いになっちゃう?」

「嫌いー?」

「めんどくさくなって嫌いになっちゃう?」

「ばーか。なるわけないだろ」

「ん。私も、何があっても四季くんだけだからね?」

「じゃあキスしよ」

「ん」

私からちゅ、ってしたら、四季くんは私の胸に顔をうずめてささやいた。

「こわい?」

「こわいって?」

「シュリはちょっとさ…嫌なことに遭いすぎたよな…。もう男に触れられるの怖くない?」

ちょっと考えてから、私はまた四季くんにキスをした。

「他のひとには絶対に嫌だよ。でも四季くんになら…されたい…。怖いこと全部忘れさせてくれるのは四季くんだけだよ?」

「…シュリが可愛いせいで反応しちゃう。もうヤダ」

「もー四季くんのよわよわ!」

こちょこちょーって四季くんをくすぐって、
でもちからの強い四季くんにすぐに仕返しされた。

笑いすぎてお腹が痛い。
ジタバタとベッドの上で暴れていたら、
ピンポーンってインターホンが鳴らされた音がした。

ピタッと動きを止めて、四季くんはベッドに膝をついて、窓から外を見下ろした。

「誰だろ…。だめだ、よく見えない」

「行ってみよっか」

「俺が言ってくるよ。なんか届いたのかなぁ。いい子で待っててね」

四季くんが頭を撫でてくれる。

コクンって頷いて、私はケットにくるまった。