四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

「言ったでしょ?柳瀬は私の中で、もう死んでるの。あの日からずっと。私が柳瀬の人生を壊したとして、あいつの中には原因や関わった人間として一生私が残り続ける。そんなの堪えられない。私はあいつの人生の一部になんてなりたくない」

「あっはは。確かに!」

「皐月、その動画絶対に消すなよ」

「もちろんっ」

「皐月も監視しててね。あいつのこと」

「任せてよ。シュリちゃん、ぼく達が守ってあげるからね?」

「おい、シュリにかっこつけんな」

「いーじゃん。シュリちゃん好きだもん」

「シャレになんないからやめろ」

四季くんが足を伸ばして上靴の裏で皐月くんの膝をゲシってした。

「シュリちゃんはぼくを救ってくれた恩人だもん!今度はぼくが守ってあげる。シュリちゃんはだいじな子だからね」

ニッて笑う皐月くんから覗いた八重歯。

皐月くんの甘々が私にまで向いている…!?

なんで泣きそうになってるんだろ。
たぶん、うれしいほうの涙だ。

「はい」

ポケットから出した棒付きキャンディーを差し出された。

皐月くんのお気に入りのさくらんぼ味。

四季くんが呆れたみたいに溜め息をついた。