四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

しばらくして生徒指導室を出てきた四季くんに抱きかかえられて、立ち上がって階段まで言って座らせてもらった。

「はい」

皐月くんからさっき渡したプリントを受け取った。
再検査のプリントだ。

署名欄に震える文字で柳瀬の名前が書かれている。

「皐月くん、ありがと」

「大丈夫?」

「二人が来てくれて本当によかった」

「遅くなってごめんね?しーちゃんが真面目に日直なんてするからさぁ」

「俺だってもっと事情を知ってればあんな悠長にしてねーよ」

「でも風紀ちゃんの様子でおかしいなって分かるじゃん!」

「あーもう…シュリ、ほんとにごめんな?判断ミスだった」

「風紀委員長のところにもわざわざ行ってくれたの?」

「同じクラスなんだよ」

「そうなんだ?」

「アレさ、委員長が配ってるじゃん、いつも。なんで風紀ちゃんが持ってくるんだろって思って、日誌届けに行ったらたまたま委員長も職員室にいたから聞いたんだ。そしたら俺は引っかかってないはずだって言われて。無理言ってリスト見せてもらった」

「夕凪…なんで最初からはっきり言わなかったんだろ」

「周りにひとがいたからな。一応気遣ったのかも」

「そっか…」

「シュリちゃん、ほんとにいいの?見逃しちゃって」

頷いた私の前に皐月くんがしゃがんだ。
四季くんがぽんぽん、って背中をさすってくれている。