四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

ガンッ…てものすごい音がして、柳瀬の動きが止まった。

近かった柳瀬がスッと私から離れる。

押さえつけられていた顔が解放されて、
生徒指導室のドアを見た。

床を濡らすくらい、涙がこぼれていて、視界が霞む。
愛おしいひとの姿もあんまり見えなかった。

「四季くん…」

ツカツカツカ、って一定のリズムで私達に近づいてきた四季くんは、
柳瀬の胸ぐらを掴んで思いっきり殴った。

床に飛ばされた柳瀬を、続けて二回殴った四季くんは私を起き上がらせて強く強く抱き締めた。

「遅くなってごめん」

「四季くん…なんで…」

「ごめん。またシュリをこんな目に遭わせて。守るって誓ったのに。なんで俺はいつもちゃんと守れないんだよ…」

「四季くんのせいじゃない。また私が四季くんとの約束破ったから…」

「学園内で教師がこんなことするなんて思わないだろッ!このクソ野郎がッ!!!」

もう一度殴りかかろうとした四季くんの体を掴んで必死に止めた。
本当に殺してしまいそうな気配だった。

「なぁ星乃!シュリだって俺にされたくてノコノコ来たんじゃないのか!?お前が思ってるほどシュリは純粋じゃねーんだよッ!」

「殺すっ…コイツ絶対…!」

「はーい!はいはいはいっ!しーちゃん、ストーップ!」

ドアのほうから聞こえたもう一人の声。

「皐月くん…?」

スマホを私達に向けながら、四季くんと柳瀬の間に割って入った。

「もうそれくらいにしとこ?やり過ぎたらしーちゃんも言い訳できなくなっちゃうよ」

「若葉…お前…なにやってる…」

「あー、コレ?決まってんじゃん。柳瀬晴陽先生の愚行を撮影してまーす。被害者は二年五組、三神シュリさん。それを助けようと駆けつけた星乃四季くんが、先生を殴ったのは立派な正当防衛です!………先生、よかったね?明日には淫行教師として学園中の注目の的だよ」

「おいっ…やめろ…!頼むやめてくれッ!」

土下座をして床に額をこすりつける柳瀬の頭部を、四季くんが踏みつけた。

「だーからしーちゃん、正当防衛の域超えちゃうって」