四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

「柳瀬先生、失礼します…」

「あー、三神。辞書だよね?ちょっと待ってて」

机の上に資料を広げていた柳瀬先生はサッと片付けて、壁に設置されている電子金庫に向かった。

中には各教室の鍵が入っていて、
教師が金庫を開けている間、生徒は近づけない。
パスワードを見られないようにだ。

「お待たせ。行こっか」

「はい」

教材室は職員室から二つ隣だからすぐに着く。
先生は鍵を開けて、先に入っていった。

「三神?どうした?」

「…いえ、なんでも」

正直二人っきりになるのは避けたい。
でも電子辞書を返すだけだし、さっさと終わらせよう。

国語の教材の棚はー…っと。
電子辞書をしまうスペースを探していたら「シュリ」って柳瀬先生が呼ぶ声がすごく近くで聞こえて、バッと振り返った。

真後ろ。
教材を収納する棚と自分の間に私を閉じ込めるみたいに、先生が立っている。

「晴陽せんせっ…」

しまった。
あんまり近くに立っているからびっくりしすぎて咄嗟に…。

「やっと呼んでくれたね?」

「ちょっと…!どいてください!」

「傷つくなぁ。前はシュリのほうがくっつきたがってたのに。先生、もっと…って」

「ッ…おかしな妄想はやめてください。気持ち悪いです」

「妄想?へぇ…じゃあシュリのやらしい姿もぜーんぶ妄想なのかな」

「最低!早くどかないと大きな声出しますよ!」

柳瀬先生が、私の首の横を掴んで、
親指でグッとこすった。

「なにしてっ…」

「やーらし。これ、星乃くんの?」

「ゃ…」

忘れてた…。
一日も経てば夕凪が塗ってくれたファンでもうすくなってたはず。

柳瀬先生はニッて笑って、セーラー服のリボンをスルスルとほどいてしまった。