四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

「皐月のことを恥ずかしいって思ったことなんてないし、そういう恋愛をしてるひとがおかしいとも思わない。でも皐月の心は分からないから」

「だったら信じてあげてくださいよ」

「え?」

「なんで分かんないから逃げようってほうにいくんですか?分かんないなら自分が今まで見てきた皐月くんを信じるしかないじゃないですか。綺麗事いって皐月くんの将来のせいにして逃げるのはやめてください。そんなの海斗さんの“愛してる”にすら信憑性を感じません。海斗さん、」

「ん…」

「今の海斗さん、ダサいです」

「…あ、はは」

「すっごくダサいですよ。ただの逃げてるひとです。皐月くんから逃げて、でも自分は大失恋した気になって感傷に浸って傷ついたフリをするんですよね?今、皐月くんを不幸にしてるのは海斗さんなのに」

「分かった…シュリちゃん、もう分かったから」

「分かってない!全然分かってないですよ!ちゃんと向き合ってください!皐月くんのことが本当に大事なら逃げるなバカ!」

車内には私の声だけが充満した。

バカ…って言った。
ヤクザさんに向かって説教なんてしちゃった…。

海斗さんはこのまま車ごとどこかに突っ込んで、心中とかされちゃうかも…。

「シュリちゃん」

「は…ぃ…」

「ありがとう」

「…へ?」

海斗さんはそれだけ言って、
それから黙ったままで車を走らせ続けた。

次に車を停めたのは、
四季くんのおうちの前だった。