四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!

「そ。俺達の鞄、取ってきてくれるって」

「悪いことしちゃったな…」

「心配しないで?ちゃんと皐月にもいい子いい子ってしてあげるから」

「あはは。皐月くんなら喜びそう」

「ごめんね?サボらせちゃって」

「いいですよ?一緒にいれてうれしかったので」

「なーんで敬語なの」

「四季くんは先輩じゃないですか」

「やーだ。俺はシュリと対等でいたいの」

こうやってたまにからかう四季くんは、
年上なのに本気にしてイジけるの、可愛い。

「冗談だよー。あー、今日のこと夕凪に怒られちゃうな」

「風紀委員ちゃん?」

「そう。勝手に早退までしたらすっごく怒られちゃうと思う」

「俺が一緒に謝ってあげる」

キスをしてくる四季くんを、私は避けられるわけもなくて受け入れてしまう。

恋人なんだから普通なんだけど、
どこででもくっついてくる四季くん。

本当は注意しなきゃいけないのかなぁなんて一瞬はためらうけれど、
私だって大好きなんだからしょうがない。

「はーいっ、ストーップ!」

六時間目が始まるチャイムと同時に、
四季くんは制服のシャツの後ろ首を引かれて、私から引き剥がされた。

「苦しいだろ、さつきー!」

「お前なぁ、拒否しろよ!」

皐月くんはなぜか私に怒ってる。
ていうか皐月くんはいつもそう。
どうやら私のことが気に入らないらしい。

「はい、しーちゃんの鞄。あとこれシュリちゃんの」

にっこり可愛い笑顔で四季くんに鞄を渡した皐月くんは、早口で言って私の鞄を放り投げた。