先輩の理性、疼かせてもいいですか?

「なんッで………ッ…血、のんッ…だァ…!」

経口摂取が済んで、落ち着いたはずの私の疼きを、ふたば先輩が刺激してやめてくれない…!

「だってムリだってこんなん…とめらんないよ…」

こんな風に愛されてしまったらふたば先輩がいなきゃダメになっちゃうみたいで怖いのに、

「セナ。一生俺のそばにいてね」なんて甘く囁く人。

「私でいいんですか?」

「信じないかもだけどさ」

「はい…」

「純血種じゃなくなっても俺はもうセナしか愛せない」

「ふたば先輩…」

「ちょっとずつでいいから信じて?」

ぎゅーって抱きしめる先輩の体。
どうしたって疼いてしまう本能だけど、
この疼きは心からだって信じたい。

「先輩のそばにいたいです。ずっと」

「いてよ。ってか、離してやんないから」

「ね、ふたば先輩?」

「ん?」

「いつか教えてあげますか?モナのこと」

ふたば先輩の腕の中で笑う私を見て、
クスクスとおかしそうに先輩も笑った。

双子の妹、モナはヒートなんかじゃない。
一般人だ。

経口摂取されたって、普通の人間に吸われただけ。
なんの影響も及ぼさない。
つまりよつばさんのプラスは抹消されない。

医師にかかればすぐに判明することだけど。

「よつばさん、なんでモナはヒートでもなんでもないのに気づかなかったんだろ?」

「あー…ひょっとしたら兄さんのプラス自体が劣等種なのかも」

「プラスではあるけどあまりフェロモンの波長は感じないってことですか?」

「もしかしたらね。あーあ。本当に後継ぎを兄さんに譲ったら、羽田グループは終わっちゃうかもな」

「そんな…」

「だいじょうぶだよ」

ふたば先輩が私のくちびるに自分のくちびるを重ねる。
吐息が甘くなる。

「セナのことは俺が守ってあげるからね」

「よつばさんが反省したら教えてあげましょうか。一応、プラスのままだって」

「ちょっとの間はお灸据えてやろう」

「そうですね。また何かするなら今度こそ本当に噛みますよって言っといてくださいね?」

「だーめ」

「だめですか?」

「セナが他の男に触れるなんてムリ。俺が死んじゃう」