そして、そのまま正門をくぐると…

そこには見たことのないような光景だった。

露木さんの登場で全員がさまざまな声をあげている。

「わ〜今日も露木様お美しい…」
「「露木様、おはようございます」」

「露木様のとなりの男誰?」
「アイツって良也くんのお兄ちゃんだよね?」
「虐めてるってウワサの…」

露木さんの隣にいるおかげでいつもより一層俺に視線が集まって、陰口をたたかれる。

いつものことだ。俺は慣れているけれど、そんな姿を露木さんに見られるのがたまらなく恥ずかしくて、

——悔しかった。

「朔良、アンタが噂の…?」

露木さんもさすがに聞こえたのだろう、ここで幻滅されても仕方がない。

「……俺は、何もしてません」

「そっか、」

え…
いままで、誰も信じてくれなかった俺の言葉を、露木さんは当たり前のように受け入れた。

「こっちにおいで」

露木さんの笑顔。
吸い込まれそうにくしゃっと笑う。

「……はい!」

首を縦に振る以外、なかった。