最強総長さまは元執事



「ごめんなさい、もう一度着替えてくるわ…」

いつまで経っても無言な俺に、下を向いてそんなことを言い出す愛華。

いや、可愛すぎて……ヤバい。


「い、いえ!!お待ちください……!」

必死で口を腕で覆いながら絞り出した声は、意外に大きかった。

「でも……」

「お似合い、です。本当に。」

「……ありがとう。」

これは、お世辞だと思っている顔だ。そんなことはあり得ないというのに。

昔から、自分のことには疎い人だ。