「——愛華様。帰りましょう」
全ての授業とHRが終わった途端、すぐに流星が声をかけてきた。
いや、流星私の家知らないでしょ…
そう思って「どこに?」と一応尋ねる。
「もちろん、愛華様のお家ですよ?」
私の意図がわからないらしく、真顔で答えられた。
「あの…、流星は私の今の家知らないわよね??流星の家と全然違う方向かもしれないけど良いの?」
「当たり前です。そもそも、愛華様のお家を知ることも、一緒に帰る理由の1つですから」
「あ、それならいいの…。」
(愛華に男子生徒やら、そこらの不良から守るってことと、ただ俺が離れたくないってのがほとんどだがな……)
人知れず警戒心を上げる流星であった。