これ,もしかして



「(寝てて気付かなかった。ごめん)」

「……。……。ううん。俺が来て起こしちゃった? だったら俺こそごめん」



"本音を誤魔化そうとしたら出ちゃう"システム???

いや,言ってて私も意味分からないけど。



「って,違う。霧香どうしたの。さっきから,すきとか色々,なに?」



とうとう言われた。

もうこれ以上は逃がしてくれない。

でも……嘘はつけないし……どうしたら。



「からかってるの,霧香。今日エイプリルフールだし,たとえほんとでも霧香がそんな風にぽろぽろ言うなんて信じられない」

「違う!! 嘘じゃない!!」



だって私じゃないもん。

でも,口にした言葉は嘘なんかじゃない。

考えるより先に,大きく否定していた。

びっくりしてる,夜恵。



「じゃあやっぱり好きってこと?」



うぬぬ。

ぱっと口を手で押さえる。

……やっぱりね。

何も言おうとしなければ,何も出ていかない。



「答えてよ,霧香」

「……。…………」

「……ずるい。ねぇ,答えてくれないの?」



また上目で,どっちがずるいのか分からない。



(うるさい)



あ,しまっ……



「すき過ぎるくらいすき」



瞬間,恥ずかしさでぽろぽろと涙が溢れだした。