翌日。

そんな事ばかり考えていたからだろうか。

滅多に無い高熱が,私の登校を阻んだ。

ぐったりと眠り込んで過ごす。

起きた頃には,もう夕方だった。



『ピンポーン ピンポーン』



「まま」



鼻も喉も問題ない。

ただただぼやけた頭で小さく呼んで,思い出す。

今日,平日だ。

仕方なく無視をする。

うちでは,宅配物も勝手に受け取らないと決められているから。

全く過保護な親である。

一人っ子の弊害だ。



『きりー。霧香ー??』



大好きな声が脳をきゅぴんと駆け巡る。

なっな,夜恵?!

私は急いでばたばたと階段を下りた。

勢いのまま扉を開ける。



「な,何しに来たの……?」

「? お見舞い」



中学生にもなってたかが1日の休みでお見舞いなんて



(恥ずかしいでしょ?! もう何でもないから帰ってよっ)

「ふん,そうなの。お茶とお菓子しかないけど上がっていけば!」

(「え?」)



なんか,変。

私がポカンとしたからか,夜恵もポカンと驚いていた。

え,だって今,私……

夜恵を帰そうとしたはずなのに。

上がってて,嘘でしょ?!