私はスマートフォンを耳に当てた。
ザー、ザー、ザー……。
雑音が聞こえる。
(何なの?)
どういうことなのか、よくわからないでいると。
風太の遺影が。
ガタガタガタッ!!
震えて、倒れた。
「風太っ」
思わず名前を呼ぶと。
『……気づくの、遅ぇよ』
風太の声が。
スマートフォンから聞こえる。
「!!」
相変わらず雑音がひどいけれど。
聞こえた。
確かに、風太の声だ。
「ごめん、ごめんね。ずっと気づいてほしかったよね?だから怪奇現象起こして、私に訴えてたんだよね?」
ザー、ザー、ザー……。
「風太ぁ、なんで死んじゃったの?」
そう言ってしまうと。
本当に風太がこの世にいないことを認めたみたいで。
悲しかった。
嘘だったら、どんなに良いだろう。
タチの悪い嘘だとしても。
私は、そのほうが嬉しい。
だって、今日は。
エイプリルフールじゃん。